定期預金は誰のため!?
皆様の会社では、定期預金を作っていますか?
自分から作ったというよりは、銀行から勧められて作った会社様が多いかと思います。
銀行が定期預金を勧める理由は、いくつかあります。
当然、銀行にとってはメリットがあるから勧めるわけで、逆に、定期預金を作る側には、デメリットもあるのです。
定期預金のデメリットとは?
まずは、定期預金のデメリットからお話ししたいと思います。
「銀行にお金を預けるだけなのに、デメリットなんてあるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、実はあるのです。
定期預金を預けるデメリットは、ズバリ「解約することが難しい」ことです。
たとえば、「資金繰りが厳しくなった」「新たな設備投資がしたい」などの理由で、定期預金を解約しようとしたとします。
そこで、銀行の窓口の女性に解約の申し込みをすると、担当者があなたに慌てて駆け寄ってくるでしょう。
銀行内では、解約の情報が上長に伝わる仕組みになっています。
担当者が不在だとしても、融資課の課長などの上席が確認しなければ、解約に応じないルールになっています。
解約理由も細かく質問され、「解約すると次の融資ができませんよ」などと詰め寄ってくることもあります。
銀行が定期預金を勧める理由とは?
話は戻って、ではなぜ銀行は定期預金を勧めるのでしょうか?
そこには大きく2つの理由があります。
理由① 融資の担保として預かるため
銀行は融資をする際、基本的には担保を取りたがります。
担保には、不動産などの「物的担保」と連帯保証人などの「人的保証」がありますが、定期預金は「物的担保」に分類されます。
しかも、不動産などと違って定期預金は登記手続き等も必要ないため、銀行の手間が省けるからです。
理由② 「実質金利」を上げるため
「実質金利」というのは、融資を受けている側から見た場合、(支払利息-受取利息)を(借入金-預金)で割ったものになります。
今のご時世、預金利息など雀の涙にしかならないので、実質的には、
実質金利=支払利息÷(借入金-預金)
と考えていいでしょう。
銀行は、この「実質金利」でお客様ごとの融資効率を見ています。
「実質金利」が高いほど、効率的な融資が行われていると判断しているのです。
さて、先ほどの「実質金利」の式から考えると、分母が小さくなるほど分数式である実質金利は高くなりますよね。
つまり、同じ融資額(借入金)・金利(支払利息)ならば、預金を多く預けてもらえるほど、「実質金利」は高くわけです。
このように、銀行は皆様に定期預金を預けてもらうことで、「実質金利」を上げているのです。
しかも、普通預金よりも解約しにくい定期預金の方が、銀行にとっては好都合ですよね。
本日のまとめ
いかがだったでしょうか?
銀行から定期預金を勧められる機会は、けっこう多いのではないかと思います。
定期預金というのは、一種の「人質」のようなものです。
「お付き合いで預けてみるか・・・」など、軽い気持ちで預ける方もいますが、上記のようなデメリットも合わせて、慎重に判断してみてください。